関口校長よりメッセージ

【関口和之からのメッセージ】
2012年5月3日(木) – 2013年3月17日(日)に行われた
金沢21世紀ミュージアムでのプロジェクト
Aloha Amigo! フェデリコ・エレロ×関口和之

この時に関口校長が寄せたメッセージを
ホームページリニューアルを記念して特別に掲載させていただきます。

愛される楽器、ウクレレとは

「ウクレレを弾く人、またはウクレレに関わる人達の中で、
 ハッピーでない人は見たことが無い!」

これはビートルズのジョージ・ハリスンの言葉です。
“HAPPY”はウクレレを語る上で最も重要なキーワードになるでしょう。
ちっぽけだけれど,人々に幸せをもたらすこの楽器の特徴をいくつか並べてみました。

〜ウクレレのいくつかの特徴〜

【1】 最も習得しやすい楽器、ウクレレ
2つか3つのコードを弾けるようになれば、それだけで歌える曲はたくさんあります。
コードの押さえ方も簡単なので、初めての人でも習ったその日に一曲マスターできます。
子どもの手にもぴったりで、彼らが習得する初めての弦楽器として最もふさわしい楽器と言えるでしょう。
実際にカナダではウクレレによる子どもの音楽教育を成功させている例があります。
先日103才で他界したウクレレ・プレイヤー,ビル・タピアが示すように、
100歳になっても弾ける楽器でもあります。

【2】 ペットのような、おもちゃのような楽器、ウクレレ
ピアノのような重厚さは無いけれど、おもちゃに近い楽しさを感じることができます。
両手の中に収まるフィット感は猫や子犬をだいているようで、
木製ならではの柔らかい手触りは心にやすらぎをもたらします。
人がたくさんいる中で手にしたとしても警戒されることは一切無く、
ペットや赤ちゃんのようにその場を和ませることができるのです。

【3】 コミュニケーションツールとしてのウクレレ
ウクレレを通じて知り合い、簡単に友だちになれる。
これは他の楽器には無い特殊なところだと思います。
同じ楽器を好きなだけで、国境や人種を超えて、こんなに人間同士が繋がることができるなんて不思議です。
もっと近い関係の中で言えば、友達同士、あるいは親子で教え合い、
一緒に弾くことでそこにコミュニケーションが生まれます。
お互いウクレレを抱え、ポロンポロンと邪魔にならない音で会話の間を埋めながら、
そこに和やかなコミュケーションが生まれるのです。

【4】 精神安定剤としてのウクレレ
人間の精神にウクレレの音色がもたらす効果は詳しく研究されていませんが、
アルファ波を出させたり鎮静作用があったりするように思われます。
寒い季節にはウクレレの音が温かく感じられ、暑い時には涼しく感じられます。
人間の心をニュートラルに戻す働きがあるのではないでしょうか?
とにかく「音で癒される」というのはウクレレに関わる人達すべての共通の感想です。

【5】 南国イメージの象徴,ウクレレ
フラの伴奏楽器としてのイメージがかなり強いのかもしれません。ウクレレといえばたいてい
の日本人はハワイを連想します。音色は明るく、揺れる椰子の木、コバルトブルーの空と海,
特に日本人が憧れる南洋のリゾートを思い浮かべるのです。ハワイは身近なリゾートではあり
ますが、お金のことを考えるとそう何度も行けるところではありません。ウクレレの音を通し
て,人々はヴァーチャルなリゾート体験をするのです。

【6】 ウクレレという友達
ウクレレはどんな姿勢や格好で弾いても文句は言わない。
人間だとしたらとても寛容な人です。旅先でもどこへでも一緒に連れて行けるし、
いつでも小さな可愛い声で一緒に歌ってくれ友達なのです。

【7】 インテリアとしてのウクレレ
ウクレレのフォルムは柔らかくキュートです。壁にかけて眺めるだけでくつろぎます。
実際にキャンバスのようにウクレレのボディに絵を描くこともできます。
インテリアウクレレというジャンルがあるくらい、
アートとして部屋の飾りとしてのウクレレが存在するのです。

【8】 奥深さと可能性を秘める楽器,ウクレレ
簡単に誰でも弾けるようになれる楽器ですが、
ハーブ・オータやジェイク・シマブクロのように
リズムと美しい編曲によって人々を感動させることもできます。
漫談からクラシックまでこの楽器を利用できる範囲は広く、
様々なウクレレプレイヤーが存在し、きっとこれからも出てくることでしょう。
ウクレレ自体の歴史はまだ浅いので、演奏法や構造など、
まだまだいろいろな可能性を秘めている未来の楽器なのです。